そんなお悩みにお答えします。
この記事はこんな人に向けて書いています。
・仮想通貨で利益が出た人
・仮想通貨で利益が出たのに確定申告をしていない人
・これから仮想通貨を始めてみようと思う人
まず、「仮想通貨で利益が出たら確定申告する」これはマストです。
ただ、仮想通貨に税金って実際どれくらいかかるのか?、どの時点で税金が発生するのか?、知らない人が多いんではないでしょうか。
そこで今回は、仮想通貨の税金についてまとめてみました。
仮想通貨の税金については知らなきゃヤバいことも多くて、知らずにいると、後々大変なことになるので、本記事を読んで仮想通貨の税金を知っておきましょう。
また、節税対策についてもポイントで説明していくので、ぜひ最後まで読んでみてください。
それでは本題に入っていきますね。
【仮想通貨の税金】知らなきゃヤバい6つのこと
仮想通貨の税金については、以下のことは必ず知っておきましょう。
①仮想通貨の税金・税率について
②利益が確定した時点で課税対象
③損失分は他の利益と相殺できない
④仮想通貨の税金は日本が一番厳しい
⑤法人の場合は含み益にも課税される
⑥取引所破綻の場合は、返金通貨にも課税
知らなきゃヤバいことが沢山あるので、それぞれ解説していきます。
① 仮想通貨の税金・税率について
仮想通貨に税金がかかるのは、仮想通貨を売って利益が出た人です。
例えば、100万円でビットコインを買って、その後ビットコインが値上がりして200万円で売れたときに、その利益分100万円に対して税金がかかってきます。
仮想通貨で得た利益の所得区分というのは、「雑所得」という扱いになり、所得の税率は以下のようになります。
所得税の速算表
課税所得金額(仮想通貨の利益) | 税率 | 控除額 |
195万円以下 | 5% | 0円 |
195〜330万円 | 10% | 97,500円 |
330〜695万円 | 20% | 427,500円 |
695〜900万円 | 23% | 636,000円 |
900〜1800万円 | 33% | 1,536,000円 |
1800〜4000万円 | 40% | 2,796,000円 |
4000万円以上 | 45% | 4,796,000円 |
例えばですが、
仮想通貨で100万円の利益が出たとしたら、税率5%がかかるので、50000円の税金を納めないといけません。
仮想通貨で500万円の利益が出たとしたら、控除額427,500円を引いた額に税率20%がかかるので、914,500円の税金を納めないといけません。
もし、1億円の利益が出たとしたら、控除額4,796,000円を引いた額に税率45%がかかるので、42,841,800円の税金を納めることになるのです。
ちなみに、所得税だけではなく住民税もかかってきます。
住民税は、利益の10%くらいかかるイメージです。
なので、100万円、500万円、1億円の人の税金を例にしてみると、こんな感じになります。
仮想通貨の利益 | 所得税 | 住民税 | 税金の合計 |
100万円 | 約5万円 | 約10万円 | 約15万円 |
500万円 | 約90万円 | 約50万円 | 約140万円 |
1億円 | 約4200万円 | 約1000万円 | 約5200万円 |
ちなみに、20万円以上の利益が出たら確定申告の必要があり、税金を納めないといけません。
② 利益が確定した時点で課税対象
仮想通貨は利益が確定した時点で課税対象になります。
以下のようなケースです。
・仮想通貨を売って利益を得る
・仮想通貨を他のコインとトレードする
・仮想通貨対応の店で買い物をする
ここはけっこう知らない人多いと思うので、詳しく解説します。
仮想通貨を売って利益を得る
仮想通貨を円に換えたときに、利益が出た分だけ課税対象になります。
例えば、ビットコインを100万円買って、その後値上がりして売却して200万円の日本円を得たときに、利益100万円分が課税対象になります。
ちなみに、日本円ではなくドルに換えた場合も課税対象になります。
その時点の日本円のレートに換算した金額が課税対象になります。
仮想通貨を他のコインとトレードする
仮想通貨を他のコイン(仮想通貨)にトレードする場合も、その時点で得られた利益が課税対象になります。
例えば、一番最初にビットコインを100万円買って、その後200万円まで値上がりして、そのビットコイン200万円をイーサリアムに換えた(買った)場合です。
仮想通貨同士のトレード(交換)にも、利益が出ていれば課税されます。
仮想通貨対応の店で買い物する
今だとビットコインが利用できるお店が増えていますが、場合によっては、課税対象になる場合があります。
一番最初にビットコインを10000円買って、その後値上がりして20000円になった人が、そのビットコインを使って15000円分の買い物をしました。
すると、値上がりして得た部分の5000円に対して、課税されることになるのです。
これからビットコインで買い物をするって時は記録しておく必要があります。
③損失分は他の利益と相殺できない
例えば、個人事業主が事業所得で利益が出ていて、仮想通貨で損失が出てしまった場合、この損失は他の所得との相殺ができません。
給与所得を得ているサラリーマンの人も、給与所得を雑所得の損失(仮想通貨の損失)で相殺することができません。
また、昨年の赤字を繰り越せないというデメリットもあります。
例えば、今年300万円の損失を出してしまったけど、翌年1000万円の利益が出ましたとなった場合、去年の300万円の赤字は繰り越せず、翌年1000万円の利益がまるまる課税対象になってしまいます。
【節税対策】本年中の利益は赤字で相殺できる
ですが、利益が出ている場合には、ちょっとした節税対策があります。
例えば、1つの取引所で利益が出ていて、もう1つの取引所で損失が出ていた場合、利益確定して損益を相殺してしまう、というのも節税対策になります。
※上記の記載内容について、税理士や税務署によって見解が変わるケースもありますので、確定申告の際はもう一度お問い合わせください。
④ 仮想通貨の税金は日本が一番厳しい
一番最初に日本の仮想通貨の税率について紹介しましたが、海外の税率を見てみると、いかに日本が厳しいかが分かります。
アメリカの場合
- 累進課税
- 保有期間1年未満の場合は、10〜37%の課税
- 保有期間1年以上の場合は、0〜20%の課税
- 高所得者はさらに付加税率3.8%が課せられ、州ごとに州税(住民税のようなもの)が課せられる
ニュージーランドの場合
- 累進課税
- 利益が0ドル〜14000ドルまでは10.5%の課税
- その後、利益に沿って最大39%まで課税額は上がる
シンガポールの場合
- 都度申請が必要
- 利益が所得税と判断される場合、0〜20%までの課税がされる
- 利益がキャピタルゲインと判断された場合、無課税
無課税の国もある
- 香港
- ドバイ
- マレーシア
- インドネシア(課税額0.05%)
⑤法人の場合は含み益にも課税される
法人で仮想通貨を買って所有している場合、含み益も課税対象になります。
仮想通貨の含み益にも税金がかかる:個人の場合は、売却等行った際の実際の利益に対して税金がかかりますが、法人の場合は、決算期末時点で保有している仮想通貨の値上がり部分(含み益)にも税金がかかります。そのため手もとに資金がないのに税金がかかる可能性があります。
引用元:村上裕一公認会計事務所
法人化すれば税負担が減るなんてことも聞きますが、そうでもないようです。
⑥取引所破綻の場合は、返金通貨にも課税
もし、仮想通貨の取引所が破綻した場合の話ですが、持っていた保有資産を日本円で返金されれば、利益が出た分課税されます。
仮想通貨での返金であれば、課税はされません。
仮想通貨を保有してるだけなら課税対象になりません
ここまで、日本の仮想通貨の税金について紹介してきましたが、わりと知らなかったことが多いと思います。
仮想通貨の法整備は世界的にもまだ進んでいなくて、それは日本も同じです。
それを踏まえて、これから仮想通貨投資をしていくなら、長期保有を目的にしたガチホ投資がおすすめです。
というのも仮想通貨は、日本円に換金して「利益が出た」時点で課税対象になります。
そのため、仮想通貨を買って持っているだけなら、確定申告する必要はなく、課税対象にはなりません。
利益が確定したり、「お金」や「モノ」に変えなければ、納税の義務は生じないということです。
まとめ
今回は仮想通貨の税金についてまとめてみました。
「日本の仮想通貨の税金って高い!おかしい!」と思った人もいるかもしれませんが、それはウン千万円と利益を得たときであって、利益によって税率も抑えられているので、ヤバいというほどではないと個人的には思います。
仮想通貨の税金については、追徴課税がどうとか色々なニュースや記事が出ていますが、利益が出たらきちんと確定申告すれば良いだけです。
仮想通貨をこれから始めてみたいという人は、そこまでシビアに考えることもないですよ。
また、仮想通貨で利益が出て日本円に換えるときは、今回の記事でも紹介した所得税の速算表を参考にしてください。
自身の収入に合わせて利確額を決めるのも節税対策になりますよ。
それでは今回は以上です。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。